【イスタンブール=木寺もも子】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは7日朝(日本時間同日正午ごろ)、イスラエルに対する大規模作戦を開始した。多数のロケット弾を発射し、戦闘員を侵入させた。同国軍はガザへの空爆など反撃に着手したと明らかにした。

ハマスの司令官は声明で、作戦開始からの20分間で5000発のロケット弾を打ち込んだと主張した。イスラエルメディアによると、少なくとも女性1人が死亡、100人以上が負傷したもようだ。中部テルアビブでも建物に被害があった。

イスラエルは臨戦態勢を宣言し、予備役の招集を決めた。ガラント国防相はハマスの行動について「重大な過ちを犯した。イスラエル軍は全ての侵入地点で敵と戦っている」と指摘。「この戦いに勝利する」とも強調した。ハマスがイスラエル人を人質にとっているとの情報もある。

イスラエルは近年、パレスチナ問題を巡って対立していた周辺アラブ諸国との関係改善を進めていた。2020年にアラブ首長国連邦(UAE)などと国交を正常化し、地域大国サウジアラビアとも交渉している。パレスチナ側には取り残されているとの焦りがある。

ハマスは声明で「銃を取れ。今がその時だ」などとして、アラブ人やイスラム教徒に呼びかけた。イスラエルと対立する過激派「イスラム聖戦」はハマスとの共闘を表明した。

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