「宗教団体のしつこい勧誘」や「悪臭」「受動喫煙」の被害に遭っているという妄想にとらわれた統合失調症の患者たちから相談をうけ、医療につないだ経験を持つのが岡本光樹弁護士だ。
その貴重な経験を聞かせてもらった

統合失調症の依頼者は10軒以上の弁護士事務所で断られていた

依頼者からは「ある宗教団体からしつこく勧誘されて困っているので、勧誘をやめるように内容証明を送って欲しい」と相談されたのですが、すぐに統合失調症だとわかりました。
「電車に乗っている時や仕事をしている時でも『××(宗教団体の名前)に入れ』
『××に入れ』と勧誘してくる」「姿は見えないけど、声だけで勧誘してくる」
などと言っていたからです。

「盗聴されている」「盗撮されている」「常につきまとわれている」などが統合失調症の特徴的な症状だと知っていたのです。

まず、この宗教団体は、その相談者との関係では何も悪いことをしていません。
それなのに、濡れ衣を着せるような内容証明郵便を送るのは、弁護士として職業上問題があります。つまり、依頼者の依頼に応えられないので、本来は断るしかありません

また、私は当時、独立したばかりだったのですが、「日本全国の警察が私のことを盗撮、盗聴している」「警視総監が私に恋愛感情を抱いているからだ」などという女性の依頼者に対応したことがありました

経営者弁護士から「それは依頼者の意向に反する」「ただ話を聞くだけでいい」と指示され、依頼者の話をただ聞くことしかできませんでした。

医療機関に強制的に入院させる「措置入院」という方法もありますが

解決策としては家族につなぐしかないと思いました。
そこで親御さんに病院に通わせる様に話しました

家族につないだ統合失調症の依頼者は治療を受けられたが…

本人が「薬を飲むと、頭がボーとして、何も考えられなくなって薬はイヤなんだ」と言います

ご両親も「やっぱり薬の治療で宗教団体の勧誘を無くそうよ」と根気よく1時間半から2時間くらい話をして、一応本人も納得してなんとか納得してもらえます

しばらく経ってからお母さんが連絡をくれて、「治療を続けて、今は落ち着きました。良かったです。ありがとうございます」と言われました。トータルで見れば、良い対応ができたと思いました。

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