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『サピエンス全史』著者でイスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏(ヘブライ大学教授)の寄稿文
イスラエルの機能不全の真の原因は、この国の不道徳とされているものではなく、ポピュリズム(大衆迎合主義)だ。何年にもわたって、イスラエルはポピュリズムの強権的指導者ベンヤミン・ネタニヤフが支配してきた。
彼はPRの天才だが、首相としては無能だ。何度となく自分の個人的利益を国益に優先し、国民の内紛を誘うことでキャリアを築いてきた。
能力や適性よりも自分への忠誠に基づいて人々を要職に就け、成功はすべて自分の手柄にする一方、失敗の責任はいっさい取らず、真実を語ることも耳にすることも軽んじているように見える。
ネタニヤフが2022年12月に樹立した連立政権は、最低であり最悪だ。それは、救世主メシア信仰の狂信者たちと厚顔無恥な日和見(ひよりみ)主義者たちの同盟であり、
彼らは、治安状況の悪化をはじめ、イスラエルが抱える問題の数々を顧みず、際限なく権力を我が物にすることしか眼中になかった。
その目標を達成しようと、極端な対立を招くような政策を採用し、その政策に反対する国家機関にまつわる言語道断の陰謀論を広め、国に忠誠を尽くすエリートたちに、「ディープステート(闇の政府)」の売国奴というレッテルを貼った。
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