イスラエルを「絶対支持」、ホロコーストを引き起こしたドイツの「ジレンマ」

10/26(木) 18:00配信

イスラエルの安全がドイツの存在理由

ドイツはホロコーストで約600万人のユダヤ人を組織的に殺害した。その大虐殺を経験したユダヤ人は、
国家という形の主権を手にしなくては自分たちを守れないと考え、第二次世界大戦後の1948年、パレスチナの地にイスラエルを建国した。

独メディア「ドイチェ・ヴェレ」によると、その歴史的経緯からドイツはイスラエルに対して特別な責任を感じている。
イスラエルの存在と安全は、単なる政策目標にとどまらず、ドイツの国としての存在理由そのものの一つと考えられているというのだ。

アンゲラ・メルケル前首相は2008年、イスラエルの国会であるクネセトで次のように演説し、ユダヤ人に対して謝罪した。

「ドイツの歴史的責任は、私たちの国の国家理性です。つまり、イスラエルの安全は、ドイツ首相である私には必須のものであり、そこに議論の余地はありません」

国家理性とは西洋政治思想の概念で、国家の存在理由を意味する。現首相のオラフ・ショルツは、
10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃後、この言葉を何度も繰り返している。

「この瞬間、ドイツがすべきはイスラエル側に立つことだ。イスラエルの安全はドイツの国家としての存在理由である」

さらにドイツの首相や外務大臣はいち早くイスラエルを訪問し、軍事支援も表明している。

このような政府の動きのなか、市民もイスラエルに同情的だ。独誌「シュテルン」によると、
10月14〜16日のオンライン調査では、ドイツ人の約58%がイスラエルによるガザへの軍事攻撃は適切であると回答している。


https://news.yahoo.co.jp/articles/9baf254e736e2c5a71a9f4b25f226ce48cbbbadf