「楽天改悪」トレンド入り 楽天市場がポイントプログラムを大幅改定した理由、同社に聞いた
11/1(水) 22:24配信
楽天市場が11月1日に発表したSPU(スーパーポイントアッププログラム)の改定が波紋を呼んでいる。楽天カードや楽天モバイルユーザーに付与されるポイント倍率が変更され、還元の上限額が12月1日から大きく下げられるとして話題に。X(旧Twitter)では「楽天改悪」というワードがトレンド入りする事態となった。
SPUは、楽天市場で買い物をする際、他の楽天サービスを利用することでポイント還元が増えるという楽天独自のプログラム。使う楽天サービスが増えるほどポイントが多くもらえるため、そのポイントでさらに楽天サービスを使うという循環が生まれるようになり、「楽天経済圏」という言葉まで出てくるようになった。
しかし今回の改定では、楽天カードを始めとし、楽天の各サービスの利用で付与されるポイント倍率、還元上限ポイントが大きく減額されている。楽天カード周りでいえば、これまで「5と0のつく日」として楽天市場で開催されている、特定の日にポイント還元を2%上乗せする施策を1%に変更。還元上限額も3000ポイントから1000ポイントに大きく減らしている。
有料会員向けの「楽天プレミアムカード」「楽天ブラックカード」「楽天ビジネスカード」で楽天市場を利用すると付与されていた2%増額分も消滅。獲得上限数も1万5000ポイントから5000ポイントと、3分の1に減少。また、楽天カードユーザーであれば楽天市場利用時に常時付与される1%のポイント特典分も、獲得上限が5000→1000ポイントに減額(プレミアムカードは据え置き)されている。
それ以外にも、楽天カードの支払いを楽天銀行に紐付けすることなどで得られるポイント還元は1%から0.5%に、獲得上限額は5000ポイントから1000ポイントに減額。楽天証券ユーザー(0.5%付与)の上限額は5000→2000ポイント、楽天ウォレットユーザー(0.5%付与)は5000→1000ポイント、楽天ブックス/楽天Koboユーザー(0.5%付与)は1000→500ポイントにそれぞれ減額している。
唯一改善したとすれば楽天モバイルユーザーに対するポイント倍率が上がった点だろうか。これまではダイヤモンド会員向けが3%、それ以外の会員には2%のポイント還元がプラスされていたが、一律4%に増える。ただし、獲得上限ポイント数は7000ポイント(ダイヤモンド会員以外は6000ポイント)から2000ポイントと大幅に減らされている。
改定の狙いを楽天グループに聞いたところ「楽天モバイルに注力しているタイミングでもあり、モバイルユーザーにとってポイント倍率がアップする形で今回変更した」「モバイルに比重を置くという案は以前より社内で検討していた。12月は年末でお買い物の機会が増えるので、ポイント倍率を上げてお買い物を楽しんでいただきたい」としており、年末商戦に向けて変更したものという。
一方で楽天カードを始め、モバイルを使っていない他の楽天サービスユーザーからすると、だいぶ割を食う内容となっている。これについては「事実として全体的にかなり調整させていただいているが、全SPU対象ユーザーの8割以上は、今回の変更により獲得ポイント数が増加するか変わらない。モバイルユーザーに限れば、8割以上が獲得ポイント数が増える」と語る(全SPU対象ユーザーには楽天モバイルユーザーも含まれる)。
「楽天カードや楽天銀行ユーザーなど、一部影響が出る方もいらっしゃるのは事実だが、影響範囲は限定的」としている。今回の施策は楽天モバイルユーザーの特典を中心にSPUを組み替えたものになるという。
とはいえ、楽天モバイルユーザーであっても獲得上限額が最大7000ポイントから2000ポイントに減るのはインパクトが大きい。4%還元で上限2000ポイントということは、税別5万円の買い物で上限に到達してしまう。これについては「7000ポイントをフルで獲得されていた方は限定的。今回の変更で、しっかりと上限のポイント数を享受していただきやすくなった。ポイント倍率も上がったので、お買い物でポイントが溜まりやすくなっている」とのことだ。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6480368