嘘や、知ったかぶりや、でまかせでも、
堂々といいきれば無知な人がひっかかるからな

物事を多角的に考慮する人は、断定することはめったにない。
物事は多くの場合、断定的にいいきれるものじゃないから。
答えははっきりせず、いろいろな可能性を提示するにふみとどまるのが真摯な態度だし、その時点で最も正確な認識なわけだ。
一方、
そういう状況の中で、一面的な見方で特定の人にとって心地いいことを断定口調でいうペテン師がいると、
無知な人は「この人こそ明確な答えをくれる人だ」と判断して支持してしまう。
これらの衆愚が民主主義を内部から崩壊させていく。

高知東生
「専門的な知識が深い人ほど、様々な角度から検討しているので、
一面的な見方で単純な結論付けなどしないのに、
俺みたいなあまり賢くない人間は、
単純な結論を言い切っている人の話のほうが分かりやすく入ってきちゃうからそれを支持しちゃうんだよな。」

「俺は『人の裏を読め』を金言としていた。しかし、
よく考えたら自分は裏の前に表の仕組みを何も知らないんだよ。
そもそもの知識がない。知る努力を面倒くさがっていた。
ちゃんと調べなくても、裏を読んだつもりになれば楽に賢そうな気分になれちゃうんだよな。」