ドジャースは大谷翔平選手とスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(約1015億円)で契約。『即払い』される年俸は、わずか200万ドル(約2億9000万円)と判明した。総額の97%に相当する残り6億8000万ドル(約986億円)は、契約満了後の2034~43年に後払いされる。

 この前例のない傾斜配分は大谷の希望によるもので、チームが補強費を捻出できるために編み出したと伝えられている。

 世界最大のスポーツ誌、米スポーツイラストレーテッドは11日(日本時間12日)、今回の一報への印象を4点にまとめて報じた。

 (1)これは常軌を逸している。大リーグは年俸200万ドル以上をもらっている控え捕手だっている。球界で最高の才能の持ち主がこれほど『薄給』なのは、この世のものとは思えない。

 (2)契約満了後に後払い分が6800万ドル? 『ボビー・ボニーヤの日』か? もう、そんな話は忘れてもいいころではないか。

 メッツは2000年、ボニーヤの5年契約の残り分590万ドル(約8億6000万円)を2011~35年の毎年7月1日に年利8%で支払うことに合意。利子だけで2400万ドル(約34億8000万円)に膨れ上がり、球界では同日を『ボビー・ボニーヤの日』と呼ぶようになった。

 (3)これは球界にとって朗報なのか? それを判断するのは尚早だ。理論的には、多くの球団が大スターとの契約に今回のメソッドを用いることができる。また、これは大きな市場を持つチームが大スターとの契約をさらなる寡占状態にしてしまうツールになり下がるかもしれない。そうなれば、球界にとってはいいことではない。

 (4)今回の契約でドジャースはぜいたく税が発生する年俸総額上限まで2500万ドル(約36億3000万円)の余裕を手にした。これを補強費に回せば、大リーグは『ドジャースと他球団たち』という構図になりかねないが、そんなものは誰も見たくない。

 金額の大きさはさることながら、この前例がない「後払い契約」の構造は、今後も議論を呼びそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/64b8e6c2fcb187614552be8cf761d2bc64bd7b5a