――慶応義塾大学を卒業しすぐお笑いの世界へ。ご両親は反対しなかったのですか。

「母は普通に就職した方がいいんじゃないのと、反対でした。父も最初から賛成というわけではありませんが、なんとか認めてくれました」

――お父様は大和証券グループ本社の松井敏浩副社長兼最高執行責任者ですね。

「父は『もし一般企業に就職する気なら、力になるぞ』と言ってくれましたが、まったく考えませんでした。浪人した時、大学には行かず、そのままお笑いの道に進もうかと思ったのですが、父から『大学だけは出ておけ』と言われました。このころから、いずれお笑いの道に進みたいという気持ちを伝えていたので、父も心の準備はできていたのかもしれません」

――お笑いで成功するのは大変なことだと思います。

「父にも同じことを言われました。でも慶応を出て、例えば大手商社に入ったとするでしょう。同期や先輩後輩との競争を勝ち抜き、役員になるのも、すごく大変ですよね。お笑いの世界は確かに厳しいですが、中にはなんとなく入ってきた人や、小中学校時代にクラスで面白いと言われていたレベルで入った人たちもいます。大学時代も全国的なお笑いイベントで準優勝するなど手応えはあったので、『本気でやれば生き残れる』と父に伝えたら、『そこまで言うならやってみろ』と」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42869410V20C19A3KNTP00/