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■ 国際的な調査が示す日本人の自己中心性

 英国の慈善団体Charities Aid Foundationが公表する「世界寄付指数」(World Giving Index)では、過去一カ月に、(1)見知らぬ人を助けたか、(2)慈善活動に寄付をしたか、(3)ボランティア活動をしたかの3項目の質問への回答をランク付けしている。(下記「グラフ1」〈2018年版〉を参照)

 日本は(1)の人助けが142位、(2)の寄付が99位、(3)のボランティアが56位で総合順位は144カ国中128位。グラフを見ると、上位を先進国が占め、下位にはいわゆる途上国が集中している。裕福な人と食うや食わずの人では、他人を助ける行動に差が出るのは当然である。

 となると、わが日本の128位という位置は異常に低い。もちろん、先進国のなかでは断トツの最下位だ。とくに、お金や特別の準備もいらない(1)の人助けの項目で下から3番目というのは恥ずかしいかぎりである(編集部註・2023年の同ランキングでは日本は総合順位で142カ国中139位となっている)。

 「政府は貧しい人々の面倒を見るべきか?」

 これは、世界47カ国を対象にアメリカのPew Research Centerが2007年に行った調査だが、これに「同意する」、つまり面倒を見るべきだと答えた人の割合が、日本は59%で世界最下位。ちなみに最も高かったのはスペインで96%、英国は91%、中国は90%、韓国は87%だった。(下記「グラフ2」を参照)

 先の調査結果とあわせるとこうなる。日本人は貧しい人や困っている人を自分で助けないばかりか、公の力で助けることにも反対する人が4割以上いる。冷酷きわまりない国民ではないか。