https://news.yahoo.co.jp/articles/f0853b1b07be75342bdfd0e0bddee959f89fe857
ざっくりいうと
「新NISA」のメリットについては、金融庁をはじめとして各銀行、証券会社でも山のように出ていていますから、
メリットについてはそちらにお任せし、あえてここではデメリットについて書きたいと思います。
「新NISA」には、「制度からくるデメリット」と、「思い込みによるデメリット」の大きく2つのデメリットがあります。
まず、「制度からくるデメリット」について見てみましょう。
1.「ナンピン買い」が難しい
2.「損益通算ができない」
3.「損失繰り越しができない」
4.「口座を一人一口座しか持てない」
次に、思い込みによるデメリットも大きいように思います。
なぜなら、金融庁による「新NISA」のPRを見ていると、投資というのは長期で資産形成をしていくもという刷り込みが強く、
「売り買いで機動的に儲けていく」という投資の本質が薄められているからです。
ですから、投資初心者であればあるほど「新NISA」がお題目のように唱えている「長期投資」はいいものだという思い込みに
陥りそうですが、気をつけたほうがいいと私は考えています。
金融庁の「NISA特設ウェブサイト」には、「資産運用シミュレーション」という「NISA」で積み立をしていくと、
将来いくらくらいになるのかということを計算するコーナーがあります。
これをやってみると、いくら積み立てれば将来どれくらいに増えるかということが表示されます。
投資期間が長ければ金額が大きくなるため、投資初心者が見たら、すぐにでも「新NISA」を始めなくてはと思うことでしょう。
けれど、そんなにうまくいくものでしょうか。
そもそも「積立」という言葉から「積立預金」イメージする人が多のではないでしょうか。
そういう人にこんなグラフを見せたら、NISAさえはじめれば必ず儲かると錯覚してしまいかねません。
図は、日経平均の30年間の推移ですが、それこそ山あり谷あり。一本調子で上がっていくことなどありえません。
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「新NISA」で選べる投資信託には、インデックスファンド(日経平均などの指数に値動きが連動する商品)が多いですが、
仮に経平均が3万8915年の時に日経平均のインデックスファンドを買った人は、5年年後には半額近くなり、
2009年3月には、7054円を付けています。ピーク時の5分の1以下です。
一方10年前に買った人は2倍になっています。
インデックスファンドでも、これくらい激しい値動きがあるのですから、「長期投資なら安全に増える」という幻想は
抱かないほうがいいでしょう。