視覚障害者の女性を狙う性加害の卑劣な手口や被害の実態が近年、障害者団体の調査などで分かってきた。
加害者は相手の目が見えにくいことにつけ込み、盗撮や痴漢、つきまといなどを行うケースが多い。
こうした被害を防いだり、被害に遭った人をケアしたりする取り組みも広まりつつある。

関東在住の全盲女性(30歳代)は、一人暮らしだった2017年頃、知らない男に自宅の合鍵を作られ、部屋に盗撮カメラを仕掛けられた。
部屋を訪ねてきた母親が気づき、警察に通報。男は20年に逮捕され、
「目が見えないのでばれないと思った」と供述した。

男は女性の 白杖 に目をつけて尾行し、自宅を割り出したとみられる。
女性は「犯人が捕まるまでは知人を疑ってしまった。白杖を使うのが不安になった」と明かす。

女性が入会する支援団体「日本視覚障がい者美容協会」(埼玉県)は、この事件などを機に、
視覚障害者の女性に性被害のアンケートを21年に実施。
68人が回答し、7割の48人が「障害に乗じたと考えられる状況で被害に遭った」とした。

場所(複数回答)は電車内(30人)や街中(27人)、被害内容(複数回答)は、
同意のないボディータッチ(32人)、痴漢(27人)、つきまとい(23人)が目立った。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240109-OYT1T50147/