父親はすぐに心臓の手術を受けることになったが、それまで劣悪な衛生環境で過ごしていたために足からはウジが湧いていた。仲道氏の介入がなければ、父親は命を落としていただろう。
命の瀬戸際にあった父親、そんな父親の弱る姿を目の当たりにしながら奔走しためぐみさんの心境はいかばかりだったか。胸が痛む。
保護が決定したという報せを受けて、めぐみさんが桐生市を訪れると、職員Iが「今回、なんでお父さんは生活保護になったかわかる?」と質問してきた。「頑張ってきたけど心臓も足も悪くなって仕事ができなくなったからです」と答えるめぐみさんを遮るように、「そうじゃないよねぇ。お父さんの社会性のなさだよねぇ!」ロビーの来庁者が振り返るような大声で言われて、「生活保護を受ける人が悪いんだみたいな感じで責められるのが悔しくてたまらなかった」とめぐみさんは当時を振り返る。
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