男が「ウチダヒロシ」の偽名で身を寄せていた土木工事会社は、藤沢市南部の閑静な住宅街の一角にあった。男は勤務先にほど近い、古びた木造2階建て住宅に一人で暮らしていた。

「生い立ちがはっきり分からない不思議な人だけれど、雇うことにした」

 近くの70歳代男性は約20年前、会社の関係者からこう聞いた。男は、この男性にも「ウチダ」と名乗っていた。言葉数は少なく、周囲と交流している様子もうかがえなかったという。

 男性が最後に男と会ったのは約1か月前。マスク姿で歩いており、声をかけると、つらそうに「体の具合が悪いんです」と話した。

 警視庁が公開している資料によると、桐島容疑者は身長約1メートル60。極度の近視で、唇は厚くやや大きい。

 男を知る近くの70歳代女性は、公開されている桐島容疑者の顔写真を見たことはあったが、事件との関連を考えたことはなかった。日常的にあいさつを交わし、好印象を抱いていた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240128-OYT1T50017/