日教組の教研集会で27日に行われた平和教育分科会では、先の大戦で爆弾を積んだ戦闘機で敵艦船に体当たりした
旧日本軍の神風特別攻撃隊(特攻隊)を取り上げるリポートが報告された。
隊員の遺書を通し、その心情を精緻に分析して想像させることで、子供たちに平和の尊さを教える授業の工夫が見受けられた。

長崎県の中学教員は、特攻隊基地があった大刀洗飛行場の歴史を伝える大刀洗平和記念館(福岡県筑前町)への修学旅行に
先立つ事前学習の授業実践例を報告した。

生徒らに戦争が起きれば、自らの生活がどう変わるかを考えさせた。
その上で特攻隊員の遺書について学び、その内容を、家族や友人への想(おも)い、国の未来や永遠の平和を願う気持ち、
死へのおそれなど心情ごとに9項目に分類。
実際に遺書を読み、印象に残った点や疑問に思ったことを書かせた。
「美談」としてではなく、歴史的な背景などを踏まえて考えさせることを試みている。

兵庫県の小学教員も特攻隊員の遺書を使った授業実践例を報告。
当時は検閲があったことを紹介し、隊員が遺書に本音を書けたのかという観点で指導した経緯をリポートした。
分科会では「『先生に見せてラブレターを書かないだろ?』と説明すると遺書への見方が変わる」と述べ、物事を読み解く際、
疑問や違和感を持つ必要性を語った。

https://www.sankei.com/article/20240127-ZHK5YWKWFVPG7GU72RLS3RL5VY/