約40年前から生活していた藤沢市で男は月1回程度、音楽好きが集まるバーに顔を出していた。
 バーのオーナーの男性(66)は「1960〜70年代のロックやブルースが好きで、店でライブをする時は『イェイ、イェイ』と体を揺らして盛り上げてくれた」と振り返る。
 20年ほど前から1人で店に通うようになり、店員や客からは「うっちー」と親しまれていた。だが、数年前から姿が見えなくなったという。桐島容疑者を突然名乗ったことに「本当にびっくりした」と話した。
 市内の別のバーでは「うーやん」と呼ばれており、週1〜2回来店しては赤ワインを好んで飲んでいた。20年ほど前には、夏に店が主催する70〜80人規模のバーベキューにも毎年のように参加していたが、最近は店にも来ていなかった。容疑者の指名手配写真が貼られている近所の銭湯にも、たびたび通っていたという。
 バーの男性店主(63)は報道後、友人から「うーやんじゃない?」と言われ、「確かに目元が似ている」と思ったという。死亡を受け「愛されキャラだった。悲しくて涙が出た」と語った。
 男が死亡した29日朝、入院していた鎌倉市の病院周辺は多くの報道陣が集まった。近くの70代男性は「本当に容疑者であるのならば、もっと早く名乗り出て被害者側に謝罪すべきだった」と話した。 (山田雄之、浜崎陽介)

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