NECの子会社に勤めていた男性(当時43歳)が2021年に脳幹出血で死亡したのは、長時間労働などが原因だったとして、川崎北労働基準監督署が労災認定していたことがわかった。認定は昨年12月19日付。男性の母親(77)と代理人弁護士が31日、東京都内で記者会見して明らかにした。

男性はNECの子会社「NECマネジメントパートナー」(川崎市)で、NEC本社のショールームの管理や予算業務を担当。21年3月25日夜に連絡が取れなくなり、同27日朝、都内にあった子会社の事務所で死亡しているのを同僚が発見した。

同署などによると、男性が死亡する直前1か月間の時間外労働は約82時間で、労災の認定基準(月100時間)は満たしていなかったが、大阪など遠方への出張が3回あるなど十分な休養がとれず業務負担が大きかったとし、過労死にあたると判断したとみられる。

母親は会見で「会社側からは原因について十分な説明がなく、真実が知りたい」と訴えた。今後、NEC側に当時の勤務状況の開示や補償を求めていくという。

NECは「グループ会社の社員が亡くなったことは遺憾。社員の安全、健康の確保を最優先に対策に取り組む」とコメントした。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240131-OYT1T50197/