最新の研究結果によると、英単語を覚える際、キーボードを使うよりも手書きの方が学習効果が高いことがわかりました。

「なんでこの子は勉強ができないのかな…」と悩んでいる親御さんに、もしかしたら一縷の望みとなるかもしれません。今週、学術誌『Frontiers of Psychology』に掲載された研究によると、古き良き手書きの筆記体はタイピングよりも学習効果が高いことが分かりました。

この研究に最初に目を付けたのは、科学誌『Register』。36人の学生に、手書きで単語を書いたり、キーボードでタイプしたりしてもらい、そのときの脳を測定しました。

脳の中には記憶を形成したり、新しい情報を符号化したりする領域があります。実験の結果、手書きしたときのほうが、その電気的結合のパターンがはるかに複雑だったことがわかりました。一言でいうと、手書きの方が学習には向いている、ということです。

研究者チームは以下のように報告しています。

脳内の“電気的結合”はキーボードのキーを押したときではなく、手で書いたときにのみ、増加が認められました。

つまり、学習を促進するのは手書きの方、ということです。

学習に最適な条件を提供する神経細胞結合パターンを確立するためには、幼少期から学校で手書きの活動に触れさせなければなりません。

アメリカのカリフォルニア州では、今年から1年生から6年生までの児童に筆記体の授業が義務づけられる法律ができました。手書き文化は衰退しつつありますが、今回の研究によれば、指を繊細に動かすプロセス自体が脳を活性化させるということになります。

「興味深いことに、脳内のさまざまな領域間の結合が増加することと、手書きによくみられる“感覚運動プロセス”との間には、関連性があるようです」と研究結果には書かれています。

科学者チームは学生の頭部に大量のセンサーを取り付け、脳の電気的活動を測定する実験を30回も行ないました。その内容は、ランダムに表示される単語を筆記体で書く、あるいはキーボードで入力する、というもの。頭や目の動きの影響を制限するため、タイピング中の単語は画面に表示されません。その結果、生徒がペンを使ったときの方が、脳の結合パターンがより精巧であるという、決定的な結果が出たのです。

https://www.gizmodo.jp/2024/02/cursive-handwriting-better-learning-than-typing-study-jpn.html