中学受験で欠席多数「正直困る」苦慮する学校も 首都圏で入試ピーク
東京都と神奈川県で1日、私立中学校の一般入試がスタートし、首都圏の中学受験シーズンがピークを迎えた。
首都圏に限らず各地の都市部で中学受験の志願者数が増加傾向にあるなか、入試直前期に小学校を欠席する児童も多く、
授業などに影響が出ている学校もある。(高浜行人、高嶋将之)
1日、東京都新宿区立四谷小の6年1組の教室には、在籍者34人のうち14人しかいなかった。欠席者20人のうち16人が受験生だ。
教室で14人は前の方に固まって机に向かい、社会の教科書を読んでノートにまとめたり、計算に取り組んだりと、個々の課題に取り組んだ。
クラスでは、受験本番に向けた感染症予防のため、1月中旬ごろから休む子も少なくない。直前の1月末は中学受験する子のほぼ全員が欠席した。
個々に時間割作り復習
担任の島谷直樹・主任教諭(35)によると、欠席者が多いこの時期は新しい単元の学習に入れず、復習が主になる。
そのため児童が個々の時間割をつくり、それに沿って自主学習する方式にした。「登校している子の学びを止めるわけにはいかないので、工夫した」
女子児童の1人は、仲良し4人組のうち2人が受験生。「寂しいけど応援しています」。
給食で牛乳を3パック飲んだ男子児童(12)は「牛乳の数が増えたのはうれしい」と話した。
首都圏では中学受験をする児童の数が増えている。中学受験に関する各種調査を行う森上教育研究所(東京)によると、
入試が集中する2月1日午前に東京・神奈川の私立中を受けた人数は増加傾向が続く。昨年は前年比約1100人増の約4万3千人。
1都3県の公立小6年生全体に占める割合(受験率)は15・0%で過去最高となった。
都心部に高収入の共働き世帯が流入していることなどが受験者増の背景にあるという。
今年の2月1日午前の受験者数も昨年並みの予測といい、1都3県の小6の人数が減るため受験率は微増する見通しだ。
東京都教育委員会によると、昨春の都内公立小の卒業生のうち、私立中に進学した割合は、最も高い文京区では49・5%に上り、
中央区と港区も4割を超えた。
受験生が直前期に休む理由は様々だ。1日に都内の私立中を受けた男子児童(12)は、区立小を冬休み明けから休んだ。
体調管理のためだ。母親は「塾から『直前期は休ませる家庭が多い』と聞いて休ませようと思った。
体調を崩すことなく試験に臨めたので良かった」。昨年12月には学校から入試日程や休みについて尋ねるアンケートが配られ、回答したという。
都内の別の男子児童(12)は昨年12月から休んだ。母親は「勉強に集中できる環境にしたかった」。
もともと児童は学校生活が窮屈で合わないと感じていたという。夏のうちに休むことを担任に伝えたという。
(以下略)
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中学受験で半数が欠席した6年生の教室で授業を受ける児童ら=2024年2月1日午後2時5分、東京都新宿区、柴田悠貴撮影
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中学受験で半数が欠席し、余った給食の牛乳を児童が分け合って飲んでいた=2024年2月1日午後0時57分、東京都新宿区、柴田悠貴撮影
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中学受験で半数が欠席した6年生の教室。登校した児童のランドセルが棚にまばらに置かれていた=2024年2月1日午後1時12分、東京都新宿区、柴田悠貴撮影
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私立中学の入試に臨む受験生たち=2024年2月1日午前7時23分、東京都練馬区、柴田悠貴撮影
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私立中学の入試に臨む受験生たち=2024年2月1日午前7時21分、東京都練馬区、柴田悠貴撮影
https://www.asahi.com/articles/ASS2163QHS1ZUTIL02M.html