まずAT限定免許は2005年に創設された免許で、AT小型限定普通二輪免許とAT限定普通二輪免許、AT限定大型二輪免許の3種類があります。特徴としては、MTに比べて教習時間が少なく料金が安いという点が挙げられます。中でもAT小型限定普通自動二輪は、2018年の道交法改正によって、普通自動車免許を持っていれば最短2日で取得可能になりました。
ATバイクの定義は、道路交通法施行規則で、「オートマチック・トランスミッションその他のクラッチ操作を要しない機構がとられており、クラッチ操作装置を有しない大型自動二輪車又は普通自動二輪車」とされています。
つまりクラッチ操作装置が搭載されておらず、クラッチ操作が必要ないバイクのことを指します。クラッチ操作が不要と聞くと、スクーターをイメージする人も多いかと思いますが、それだけではありません。
スクーター以外で乗れるバイクには、自動遠心クラッチを採用したバイクと、電子制御シフトを採用したバイク、電動バイクの3種類があります。
自動遠心クラッチを採用したバイクとは、変速時はシフトペダルのみの操作でクラッチ操作がいらないタイプ。人気が高いスーパーカブであるホンダの「CT125 ハンターカブ」は、このタイプになります。
また電子制御シフトを採用したバイクは、クラッチレバーがないためクラッチ操作が必要ありません。自動でシフトチェンジするATモードと、自分でクラッチ操作をするMTモードが選べます。電子制御シフトとしては、ホンダのDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)とヤマハのYCC-S(ヤマハ電子制御シフト)の2つが有名です。
なおホンダのDCTが採用されているバイクには「CRF1100L アフリカツイン」や「レブル1100」が挙げられます。またヤマハ「FJR1300AS」は、YCC-Sが採用されている人気車種です。
そして電動バイクは昨今開発が進んでいるバイクです。定格出力によって必要な免許が異なりますが、ヤマハ「E-Vino」などは、AT限定免許で運転可能です。
ATバイクはクラッチ操作がないため、運転に余裕がもてる・エンストの心配をしなくてよいといったメリットが得られます。
しかし、小回りしにくかったり安定性が保ちにくかったりというデメリットもあるようです。ATバイクは、前輪の中心から後輪の中心までの距離が長いモデルが多いです。そのため、小回りがしにくく狭い道やカーブが多い道では運転しにくい場合があるかもしれません。
またATバイクは椅子に座るような姿勢で乗車するため、MTバイクのように膝でタンクをはさむニーグリップができません。ニーグリップができないと、低速時に不安定になりやすくなります。
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