中国が日本抜き世界一の自動車輸出国、世界市場で受け入れ進む−昨年
世界的な電気自動車(EV)シフトの先陣を切った中国が2023年に日本を抜いて世界一の自動車輸出国となった。
日本自動車工業会が31日に発表したデータによると、日本企業が昨年398万台の乗用車を出荷した。
中国汽車工業協会(CAAM)によると、中国は昨年414万台を海外に輸出しており、日本を上回った。
中国にその座を奪われるまで、日本は長年にわたり輸出トップの座にあった。
中国は最近米テスラを抜いて世界最大のEVメーカーとなったBYDの本拠地であり、世界最大のEV市場でもある。
ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは、
「中国製の自動車が世界市場に受け入れられるようになった」ということの証しでもあるとした上で、
中国の場合はかつて日本車が経験した貿易摩擦に加えて、
米国など西側諸国との政治摩擦という「解決できない複雑さ」がある別の問題も抱えていると指摘した。
北京の政府関係者は、中国が世界最大の自動車輸出国になったことを称賛する一方で、
EVを含むグリーンエネルギー部門には課題が増していると述べている。
中国の新国斌・工業情報化省副大臣は年頭、EVやリチウムイオン電池、
太陽光パネルの輸出が「国の誇りとなった」と述べた。その一方で、
「対外的には力強さに欠ける需要や一部の国や地域での保護主義的な貿易措置を乱用など、
産業が望ましくない問題に直面していることを明確に認識する必要がある」とくぎも刺した。
業界団体のCAAMも控えめな反応を示し、中国メディアがこの業績を誇張しないよう注意を促し、
中国の自動車産業が日本に追いつくにはまだ時間がかかるとの考えを示している。
CAAMの徐海東・副主席技師によると、日本の自動車メーカーは昨年、
海外工場で約1700万台から1800万台程度の車を生産し、
ドイツやアメリカの企業はそもそも国内生産の車をあまり輸出していない。
徐氏は中国はこの面でまだ遅れていると指摘。
輸出は海外への事業拡大のごく一部に過ぎず、真の国際化とは海外に生産拠点を設けることだと主張した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-02/S88YU3T1UM0W00