注文住宅による家づくりは、担当営業によって家の性能と金額が決まり、担当設計士によって家の出来が決まり、担当工務によって家の質が決まります。

そして、最初の窓口となる営業マンによって、担当設計士と担当工務が決まるので、結果的に、担当営業のレベルによって、すべてが左右されるのです。

「担当営業によって家の性能が決まる」というのは、主に断熱・気密性能に関することです。
リテラシーの低い営業マンに当たってしまうと、夏は暑くて冬は寒い、光熱費がかかる家になってしまう可能性が高まります。
気密性能に関しても同様で、積極的に取り組んでいる営業マンと、そうでない営業マンがいます。

金額面に関しても、担当営業マンが社内外にどれだけ顔が利くか、または、どれだけ施主のことを真剣に考えて配慮できるかどうかで異なってきます。
実際、私も営業マン時代、一部のキッチンメーカーから特別に値引きをしてもらっていました。このようなことは私に限ったことではなく、信頼と実績のある営業マンなら、誰でもあり得ることです。

一方、信頼も実績もない営業マンは顔が利きません。そうなると、価格調整の協力を得られず、結果的に施主側が損をすることになります。

これから家づくりをする多くの方が、「とりあえず住宅展示場に行ってみよう」と考えるでしょう。
ただし、それには大きなリスクがあることを知っておく必要があります。そのリスクとは、担当営業マンが固定されてしまうということです。

実は、優秀な営業マンほど展示場には待機しておらず、オンラインで打ち合わせを済ませています(展示場には、コピー機を使いに寄る程度になっているというのが実情です)。

そのため、展示場には、基本的には若手か、あるいは手の空いている営業マンしか待機していません。
また、展示場に行くと必ず、アンケートという名目で個人情報の記載を求められますが、これに個人情報を記載すると、そのとき目の前にいる営業マンが自分の担当営業になります。

ハウスメーカーによっては、最初にアドバイザーと呼ばれるスタッフが接客し、アンケートの記載を促した後、隣室で控えている住宅営業マンにバトンタッチするという方式を取っているところもあります。

いずれにせよ、一度でもアンケートに個人情報を記載してしまうと、担当営業マンが決まってしまうということです。
「改めて違う展示場に行けば、別の営業マンを担当にできるのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、あまり期待はできません。
一度でもハウスメーカー側に個人情報を渡してしまうと、データベースに登録され、最初に接客を受けた営業マンから逃れることは難しくなります。

だからこそ、最初に住宅展示場に足を運ぶのはNGで、家づくりを成功させるための進め方は、下記の通りとなります。

① 基本的な住宅の知識(構法など)を施主が身につける
② ハウスメーカーを複数社に絞る
③ 優秀な住宅営業マンを担当につけてもらう