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大田の小学校に街灯設置 軽くて曲がるペロブスカイト太陽電池 リコー、屋外で1年間の耐久性実証実験

東京都大田区北馬込1の馬込第三小学校に、次世代エネルギーとして期待されるペロブスカイト太陽電池を用いた街灯が設置された。同小の目の前に本社を置くリコーによる実証実験で、屋外での耐久性を確認する。1月末、鈴木晶雅大田区長や山下良則リコー会長が出席して、開始式が開かれた。
ペロブスカイト太陽電池(中央の黒っぽい部分)で発電するLED照明
ペロブスカイト太陽電池(中央の黒っぽい部分)で発電するLED照明

 ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大の宮坂力教授が発明し、世界中で実用化をめざした開発が進んでいる。リコーもそのうちの1社。同社の田中哲也さんは「現在主流のシリコン太陽電池より軽く、曲げられ、天気が悪くても発電できる。一番の課題は耐久性だ」と話した。
 校庭の隅に設置された実験用の発光ダイオード(LED)照明は、昼間はペロブスカイトで発電し、蓄えた電気で夜間に点灯する。実証実験は1年間行われ、発電量や温度、湿度などさまざまなデータを集める。データは常時誰でも確認できる仕組みも作った。馬込第三小では、リコー社員による出前授業も計画されており、環境教育の効果も期待されている。
 鈴木区長は「新技術を区内で実装し、SDGs達成に前進したい」と述べた。