春節大移動「過去最多」を中国政府が演出、新たな指標導入で「中国衰退論」払拭する狙いか
今週末に始まる中国の春節(旧正月、今年は10日)に伴う連休を控え、帰省や旅行による移動がピークを迎えている。景気低迷を背景に節約志向が広がり、割高な航空機や列車の利用は減少する見通しだ。中国政府は、従来とは異なる算出方法で「過去最多」の大移動をアピールしている。(上海 田村美穂、瀋陽 出水翔太朗)
春節連休を含む前後40日間は「春運」と呼ばれる。連休を利用して多くの人が帰省したり、国内外の観光旅行に出かけたりする。中国政府の予測では、今年は「過去最多」となる延べ90億人が移動するという。
中国政府は例年、この期間の移動者数について、鉄道や飛行機といった公共交通機関を使う旅客数の予測を公表してきた。しかし、今年の数字は、マイカーでの帰省者らの数も加えた「社会全体の地域をまたぐ人の移動量」という新たな指標を導入した結果だ。
従来の方法では、延べ18億人で前年予想(約21億人)から14%減る見通しだ。景気低迷から移動を控える人が増えているのが実態だ。
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