日銀のETF買い入れ、緩和見直し時に継続が適当か検討-植田総裁

日本銀行の植田和男総裁は6日、上場投資信託(ETF)の買い入れについて、2%物価目標の持続的・安定的な実現が見通せるようになり、現在の大規模金融緩和の見直しが可能な状況になった段階で「他の手段も含めて継続することが良いかどうかを検討する」と改めて表明した。衆院予算委員会で答弁した。

  また、保有しているETFの処分に関しては、「もう少し先で考えるという時間的余裕があるのかなというふうに思っている」と語った。

  総裁は1月の金融政策決定会合後の記者会見で、ETFの取り扱いについて、物価目標が見通せる状況になった時点で「枠組みを維持することが適切かどうか、引き続き買うかどうかについて検討することになる。その結果、やめるかどうかはその時点の情勢次第だ」と述べていた。

  日銀は1月会合で大規模緩和の継続を決める一方、新たな経済・物価情勢の展望(展望リポート)に2%物価目標が実現する確度が「少しずつ高まっている」と明記した。植田総裁は会見でマイナス金利解除後の政策運営に言及。同会合の「主な意見」では政策変更に前向きな見解が相次いで示されたことも明らかになり、3月や4月にも日銀が正常化に踏み出すとの見方が市場で強まっている。

  一方、岸田文雄首相は、政府と日銀は絶えずしっかり意思疎通を図っていくべき立場にあり、政府はデフレからの脱却に向けて新しい資本主義を進めて構造的・安定的な賃上げを目指していくと説明。緩やかな物価高騰の下で経済の好循環を実現する政府の経済政策を「日銀もしっかり理解してもらった上で、日銀独自の金融政策を判断していただく、これがあるべき姿である」と語った。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-02-06/S8EP1HDWX2PS00