外国人向けの代理出産ビジネスが、ウクライナやロシアなど旧ソ連圏に定着している。不妊に悩む欧州や日本、中国のカップルにとっては子を得る貴重な手段だが「貧しい女性を搾取している」との批判も根強い。24日で2年となるロシア軍のウクライナ侵攻によって変化も生じている。
ウクライナは各国人からの代理出産の依頼を多く引き受けてきた。英BBC放送によると、侵攻前は約50の専門病院があり、代理出産で年2千人以上が生まれた。ウクライナでは、依頼主が出生証明書で両親と記載され、養子縁組などの手続きは不要だ。
「欧州諸国より数倍安い」「ウクライナ女性は責任感が強い」。代理出産を扱う首都キーウの産婦人科病院のホームページには外国人向けの宣伝文句が並ぶ。
地元女性を代理母に勧誘するページもある。出産経験があり、非喫煙者で過度に酒を飲まず、遺伝性疾患がないことなどが条件だ。報酬は2万~2万7千ユーロ(約320万~432万円)。ウクライナの平均年収の5~6年分に相当する。食費や住居が支給されるケースも多く、代理出産で収入を得ようとする女性は少なくない。卵子を提供すればさらに報酬がある。依頼主が選べるよう顔写真や学歴、民族的出自を事前に登録するという。
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