そろそろ終電だったので「私、帰りますね」と言って席を立とうとすると、先輩芸人は急に不機嫌モードになった。
「はぁ? お前ノリ悪いなぁ」
だが、翌日は撮影会の仕事があって、入り時間も早い。始発まで飲む元気はないし、新宿から当時住んでいた国分寺までタクシーで帰れるほどのお金はなかった。
「ごめんなさい。でも、明日も仕事が早いので。私は終電までしかいれないけど、それでもいいのなら、ということで参加したんですが」
筆者が謝罪の言葉を口にしたところ、「誰や! こんなヤレない女を連れてきたのは!」と先輩芸人はブチギレ。後輩芸人は顔面蒼白で「申し訳ありません!」と慌てて頭を下げていた。筆者はそれを見て、呆然とするしかなかった。
そこで、さらに先輩芸人が筆者に対してまくしたててくる。
「わざわざ呼んでやって、酒おごって、面白い話を聞かせて楽しませてやって、ここで帰るだと? ありえねぇよ、お前」
は? 別に来たくて来たわけじゃないし、酒代を割り勘しても1人2000円もいかないから払ってもいいし、そこまで面白い話じゃなかったんだけど?
本当はそう言ってやりたいところだったが、筆者以外は芸人好きだったので、今後、彼女たちが飲み会に呼ばれないようなことがあったら申し訳ないのでグッとこらえた。
「本当にすいませんでした」
ペコペコ謝る筆者にキレ続ける先輩芸人。そして後輩芸人たちに「おい!どないすんねん!」と目をやると、彼らは腰を90度に曲げて謝罪しながら「いますぐヤレる女見つけてきます!」とダッシュで外に出て行った。
これには筆者もかなり頭にきて数週間は怒りが収まらなかった。
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