『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』鬼たちのその後を描く、福知山発の絵本
■節分の掛け声は「鬼は内、福は外」。鬼にゆかりの深い京都府福知山市
2月3日の節分といえば「鬼は外、福は内」の掛け声と共に、豆まきをする習わしがありますが、一風変わった掛け声の地域があります。
鬼とゆかりの深い京都府福知山市の、三和地域にある「大原神社」の節分祭のかけ声は「鬼は内、福は外」です。
巷にある悪いものを神社で清めたうえで(=鬼は内)、村に福をお返しする(=福は外)一風変わった節分祭になっています。
鬼がお多福に変わる演出は地元の有志により演じられ、いまもなお地元のひとたちに愛されている恒例行事です。
■『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』
『節分で追い出された鬼はどこへ行く?』は、季節行事として親しまれる節分の豆まきを題材としつつ、
「鬼は外」の掛け声とともに各家庭から追い出された鬼たちはその後どうしているのかを描いています。
福知山市の大江山に集まる鬼たちの知られざる想いやユーモア溢れる掛け合い、
節分の豆まきがもつ意味を、関本さんがかわいいイラストで届けています。
ストーリーはとある節分の日から始まります。ひとりの子鬼が家の人から豆をぶつけられ、家を飛び出していきました。
福知山市は読み聞かせ動画も公開
子鬼は訳がわからず、ショックで泣いてしまいます。そこで出会った大きな青鬼に励まされ、
節分の日に追い出された鬼たちが集まるという「大江山」に一緒に連れて行ってもらうことに。
子鬼はそこでたくさんの心優しい鬼たちと交流しながら、節分がもつ意味などを学んでいきます。
さらに、この物語をより多くの方に楽しんでもらおうと、福知山市は公式YouTube にて読み聞かせ動画を公開しています。
読み手は、舞台役者の宇都恵利花さん。舞台で茨木童子を演じたことがきっかけで鬼に関心を持ち、福
知山市が2023年に実施した「日本の鬼の交流博物館 開館30周年記念 酒呑童子イラストコンテスト」では大賞を受賞。
宇都さんが描いた鬼のイラストが開館30周年記念来館証のデザインに採用されるなど、福知山市や鬼とも深いかかわりのある方です。
本作品の絵本は市内の小学校や全国の図書館に寄贈されます。
読み聞かせ動画とあわせて、鬼がもつ新たな一面に触れ、多くの人々が鬼と親しむきっかけとなりそうです。
https://colocal.jp/news/161796.html