大阪拘置所のある刑務官はこう語る。

 「拘置所に来た時は、刑務官らが食事を口に運び食べさせていた。トイレにも2人の
刑務官が付き添う。自分では、法廷でやっていたようなマスクの着脱ができるくらいかな。拘置所でこんなVIP待遇は経験がない」

 そうなると、SNSにもあるように、判決が確定した際、実際にどう執行されるのかが大阪拘置所の刑務官たちも、気が気でないという。

「死刑にはマニュアルはありません。過去の事例を参考に執行するようになっている。マニュアルがあると、情報公開や国会から請求があれば出さなければならないので、作成しないという意味ですが……。ただし、過去の事例からも、手順は決まっています」(前出・大阪拘置所の刑務官)

 死刑囚は、刑場で立ったまま首に皮のついたロープがまかれ、執行される。立てない青葉被告をどのようにして執行できるのか、まだ判決は確定していないが、大阪拘置所の刑務官たちは緊張に包まれているという。

法務省のホームページに掲載されている《報告書「首に掛けられたロープ~日本の死刑と精神医療~」(要約・仮訳版)2009年9月 アムネスティ・インターナショナル》は、こう記している。

 《この国(日本)で2006年1月から2009年1月までの3年間に処刑された32人のうち、15 人が60歳未満、17人が60歳以上だった。しかも後者のうちの5人が70歳台で、そのなかには車椅子で処刑場まで移動しなければならなかった77歳と75歳の2人も含まれていた。》

 2人の高齢の死刑囚が車いす生活だったが、執行された事例があるのだ。

 死刑制度に詳しい龍谷大学名誉教授・石塚伸一氏はこう語る。

 「報告書にある一人は、刑務官が死刑囚の横にいき、立たせて首にロープをかけて執行したという情報を聞いている。異例の措置だったようで、精神的な負担が大きいと刑務官からクレームが出たそうです」

https://news.yahoo.co.jp/articles/504ad7dbc9b94523ee03e62a487531359f1c610e?page=2