景気低迷でも「自由化」できない中国共産党のジレンマ
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景気低迷でも「自由化」できない中国共産党のジレンマ
中国では2月10日の春節(旧正月)前後に帰省や旅行が盛んになるが、景気は低迷しているようだ。
途上国の経済から先進国型に転換する曲がり角の中国
宮家)電気自動車ブームなどもあって消費はそれなりにあった。しかも、コロナ禍中はみんな食べものを買い込み、いつ何が起こるかわからないから色々備蓄もしていた。そこでコロナ禍が明けたら、今は「さて何を買おうか」という感じらしいです。そういう感覚は現地に住んでいる人でないとわからないと思い、なるほどなと思いました。それに加えて、不動産バブルが弾けた。若い人の失業率がとても高く、しかも中国社会は高齢化が進んでいます。1990年代以降の日本のようなバランスシート不況にもなっています。日本でもありましたが、いま中国はデフレの始まり、一種の曲がり角なのです。
国民1人当たりのGDPが1万ドルを超えるためには内需拡大、国有企業の改革、規制緩和等々のイノベーションが必要
宮家)中国経済も当然、途上国の経済から先進国型に転換しなくてはいけない。「中所得国の罠」という言葉がありますが、1人当たりのGDPが1万ドルを超えるか超えないかになると、途上国の経済は壁に突き当たります。その壁をぶち抜くためには、例えば内需拡大、国有企業の改革、規制緩和、イノベーションなどが必要になります。
小永井)イノベーション。
宮家)日本も韓国も台湾も、みんなそれで1人当たりGDP1万ドルの所得を超えていったわけです。もちろん、いまの中国だと沿岸の方では2~3万ドルのところもあるけれど、基本的には1万ドル前後ですよね。
中所得国の罠
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