タモリで腹をかかえて笑ったことのある人の体験記
筒井康隆 「腹立半分日記」より

1976年12月18日(土)
・・・タモリを連れて帰宅すると義弟たちや義妹も料理を作って持ってきた。宴会となる。
タモリ、新しい芸をいろいろと披露する。
「典型的な名古屋人がばーにやってきたところ」というのをやる。車のカギをチャラチャラいわせながらドアから入ってくるところで、はや、腹をかかえる。
「恐山のイタコがコルトレーンノ霊を呼び出す」というのもやる。これは昨日開発したばかりの芸だそうだ。
質問が専門的なジャズに関したことになると、わーっと取り乱し、「聞くな」と叫んでなく。
腹をかかえて笑いころげる。
・・・
1977年7月2日(土)
・・・「ジャックと豆の木」閉店記念バスツアーである。・・・山下洋輔トリオ、タモリ、長谷邦夫・・・
・・・バスの中でさっそくタモリの独演が始まる。多くのギャグが出て笑いころげる。
・・・
1977年7月3日(日)
・・・
朝食後、ふたたびバスで十時半出発。帰途もタモリの独演。
「あの岩は元和元年、一夜にしてできた岩。偉いねー。それ以来ずーっと岩やっている。微動だにしない。見あげたもんだ。たまにゃ歩きたいだろうし、酒も飲みに行きたいだろうに」
河原にカニがいると
「「あのカニは元和元年一夜にしてできたカニ。それ以来ずーっとカニやっている。微動だにしない」
腹をかかえ続ける。
・・・