アジア杯敗退は必然だった─元日本代表監督フィリップ・トルシ工が明かす「森保ジャパンの弱点」

2/12(月) 9:00配信

完敗だった。とくに後半は防戦一方。

アディショナルタイムに入ると、ついに守備陣が耐え切れなくなり、イランにPKを献上。
悲願のW杯ベスト8に向け、アジア王者となることが使命となっていた森保ジャパンは、アジア杯ベスト8で敗退という屈辱を味わった。

国際親善試合でドイツら強豪国を撃破し、「史上最強の代表チーム」とスポーツメディアに持ち上げられていた第2次森保ジャパン。

だが、その″綻び″は明らかで、真剣勝負となれば対戦国が見逃してくれるはずもなかった。
たとえば、アジア杯グループリーグで激突したベトナム代表は、FIFAランキング94位と17位の日本のはるかに格下ながら、
2得点をあげて一時、日本をリード。2‐4で逆転負けを喫するも、あわやの善戦を演じたのだ。

ベトナム代表の監督は、’00年のアジア杯で日本代表を優勝に導いたフィリップ・トルシエ(68)。
日本を熟知する指揮官が敢えて″古巣″の弱点を指摘した。

「アジア杯に臨むにあたり、日本の試合をすべて見て、中盤に守備ブロックを構築することに決めた。
目的は日本の攻撃を分断すること。ミドルゾーンからプレスをかけて、彼らが後方からアタックせざるを得ないように強いる。
力関係を考えれば、ベトナムが守備する時間が全体の70%になるから、規律を保ち、組織を維持することをチームに求めた」

日本を倒したイランも同じ戦略を採った。中盤を固められたことで、日本代表は攻め手に欠き、
バックパスをするシーンが何度も見られた。高い位置――ミドルゾーンにディフェンスラインを設けてプレスをかけることで「ショートパスを繋ぎながら、
一気に攻め上がる日本の得意とするスタイルを崩すことに成功した」と、トルシエ氏は胸を張った。

「日本代表はロングボールを蹴りこんでこないから、ゲームをコントロールしやすかった。中村敬斗(23)や伊東純也(30)など
危険な選手に注意は払ったし、左SBの伊藤洋輝(ひろき)(24)は中にカットインしてくる傾向がある、といった情報は共有したが、
選手個々に対する特別な戦略はなかった」

◆「自信が欠けている」

そう誇った後、トルシエ氏は「日本が埋めるべき3つの穴」を指摘した。

「敢えて弱点を指摘すれば、ディフェンスということになるだろう。
それは、日本代表がベトナム相手に簡単に2失点を喫したことで明らかだ。
第一にゴールを守るGKの鈴木彩艶(ざいおん)(21)は経験が不足している。
第二に伊藤ら若いDFたちに自信が欠けている。そして3つめはトランジション――守備から攻撃への切り替えが、
スムーズとはとても言えない。日本がアジア制覇を目指すのであれば、克服していかねばならない課題だ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/ca662edcaabf07354b31286736f9d0cca76b94e4