トランプ氏発言に西側から批判噴出、NATO事務総長「安保損なう」

[パリ 11日 ロイター] - トランプ前米大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国をロシアによる侵攻から防衛しない可能性に言及したことを巡り、バイデン大統領や西側諸国の高官から批判の声が相次いだ。

バイデン氏は11日の声明で「国際舞台における米国のリーダーシップと同盟国への支援は米国民の安全を守るために不可欠だ」と強調した。

NATOのストルテンベルグ事務総長は「同盟国が互いを防衛しないと示唆することは米国を含む全ての安全保障を損ない、米国と欧州の兵士を大きな危険にさらす」と指摘。「NATOへのいかなる攻撃に対しても団結した強力な対応が取られる」と声明で述べた。

ポーランドのコシニャクカミシュ国防相は「選挙運動はNATOの安全保障をもてあそぶ言い訳にならない」とX(旧ツイッター)に投稿した。

また、欧州連合(EU)のミシェル大統領は、NATOの安全保障と条約第5条の連帯に関する向こう見ずな発言はロシアのプーチン大統領の利益にしかならないと指摘した。

トランプ氏は10日に開いた選挙集会で、過去に会談したNATOの主要加盟国の首脳から、もし同国が拠出金を払わず、かつロシアから攻撃を受けた場合に、米国が防衛してくれるかと質問され、防衛しないと答えたことを明らかにした。
「(ロシアに)好きなようにするよう伝えるだろう。拠出金は払わなければならない」と回答したという。

https://jp.reuters.com/world/security/FOESDRELNJOMRGDBCW5PNJYFJ4-2024-02-12/