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 このほどオランダの元首相夫妻が、合法的な安楽死によってお互い手を取り合って一緒に息を引き取った。
夫妻は共に93歳で、お互いの存在なしでは生きていけないと明かしていたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

オランダは世界で初めて安楽死が合法化された国として知られている。
同国の元首相ドリス・ファン・アフト氏(Dries van Agt、93)と妻が現地時間5日、故郷のヘルダーラント州ナイメーヘンで合法的な安楽死により亡くなったことが、
人権団体「ザ・ライツ・フォーラム(The Rights Forum)」によって9日に発表された。

アフト氏は同人権団体の創設者であり、1977年から1982年までオランダの首相を務めた。
しかし2019年、パレスチナ人の追悼行事の演説中に脳出血を起こし、命は取り留めたものの後遺症が残ってしまった。
また、アフト氏の妻ユージェニー・ファン・アフト=クレーケルベルグさん(Eugenie van Agt-Krekelberg、93)も重い病を抱えており、
夫妻の健康状態はかなり前から悪化していたようだ。
そして夫妻の安楽死を決断した理由について、同人権団体の理事は「お互いなしでは生きていけなかった」と明かしている。
同人権団体は声明でこのように述べた。
「アフト氏は、70年間連れ添って彼を支えていた妻ユージェニーさんと手を取り合って亡くなりました。彼は最愛の妻をいつも『マイ・ガール』と呼んでいました。」
夫妻が亡き後、葬儀は非公開で執り行われたそうだ。

ちなみに米ニュースメディア『New York Post』では、オランダで安楽死は合法だが、カップルが同時に決断するケースは比較的珍しいことと報じている。
しかし、オランダの公共放送局『NOS』によると、カップルが一緒に安楽死するケースは年々増えており、2021年には16組が同時に安楽死し、
2022年には29組と前年より13組増加していた。