11年前、北九州市の会社員の男性が出張先のサウジアラビアで体調を崩して死亡したのは、会社側が安全に配慮する義務を怠り、熱中症になったためだとして、遺族らが賠償を求めた裁判で、福岡地方裁判所小倉支部は「『暑さ指数』を測定せず、作業に従事させていた」などとして会社の責任を認め、4800万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。

11年前の2013年8月、横浜市に本社がある船舶修理の会社で働いていた北九州市の30代の男性は、出張先のサウジアラビアで船の補修作業にあたるなかで体調を崩し、死亡しました。

遺族らは熱中症が原因だと主張し、会社側が安全に配慮する義務を怠ったとして、およそ6300万円の賠償を求める訴えを起こし、会社側は争っていました。

13日の判決で福岡地方裁判所小倉支部の寺垣孝彦裁判長は、当時35度以上に達していたと考えられる作業現場の気温や、おう吐や脱水症状といった症状がみられたことなどから、男性は熱中症が原因で死亡したと認定しました。

そのうえで、「会社側は一定の対策は講じていたものの、気温や湿度などをもとに熱中症の危険度を示す『暑さ指数』を測定せず、体調などの確認をしないまま作業に従事させていた」などと指摘して会社の責任を認め、4800万円余りの支払いを命じました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kitakyushu/20240213/5020015069.html