かすむ中国の改革開放路線 濃くなる計画経済の影

ー中国の高度成長は終わりを告げたのですね。

瀬口氏:ええ、私はそう見ています。19年の実質GDP(国内総生産)成長率は前年比6.0%でした。その後の2年間はイレギュラーな環境だったため、高度成長が続いているかどうかよく分からない状況が続きました。

 20年は新型コロナウイルス禍のため同2.2%に落ち込み、21年はその反動で同8.4%と高い伸びとなりました。世界各国がコロナ禍に苦しむ中で中国経済だけが回復していたので、この年までは高度成長期の自信が保たれていました。その後、ゼロコロナ政策が続き、22年は同3.0%止まりでした。

 そしてゼロコロナ政策が明けた23年1~3月期、GDP成長率が前年同期比4.5%と急回復したことから、人々は「高度成長に戻るのかもしれない」と期待しました。しかし、続く4~6月期には同6.3%と失速してしまいました。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/020800411/