羊の皮を被ったクラシック・ミニが英国オークションに登場
 初代ミニ(クラシックMini)に、ホンダの刺激的なスポーツエンジンであるVTECエンジンを組み合わせたクルマが、イギリスのオークションに出品されて注目を集めました。

数あるクラシックカーのなかでも人気の高い初代ミニは、コンパクトながらもおしゃれなデザインで、マニアだけでなくクルマにさほど興味のない人にも指名買いされるほどです。

 初代ミニは、1959年にイギリスの自動車会社、BMC(British Motor Corporation)が「オースチン・セブン」と「モーリス・ミニ・マイナー」という車名で販売しました。

 1969年にはジョン・クーパーが開発に参加し、ワイドタイヤとエンジンの出力を向上した「ミニ・クーパー」が誕生します。

 その後、1982年には社名を「オースチン・ローバー」に変更し、2001年まで「ローバー・ミニ」として販売されました。

 約40年以上のあいだ生産された初代ミニは、排気量こそ850㏄から1300㏄と幅広いで
が内外装の変更はほとんどなく、デザインとコンセプトに優れた1台といえるでしょう。
そして、今回出品された初代ミニには、ホンダのスポーツエンジンでお馴染みのVTECが搭載されています。

 VTECはホンダ独自の可変バルブタイミング・リフト機構のひとつで、低速カムと高速カムを切り替えることで、扱いやすさを追求しながら低回転から太いトルクと高回転での高いピークパワーを両立したエンジンです。

 初採用は1989年に誕生した2代目「インテグラ」に搭載されたB16A型(1.6リッター直列4気筒DOHC)で、最高出力は160馬力と、NAエンジンとしては驚異的なリッターあたり100馬力を達成した初めての量産車です。

 その後は「アコード」や「NSX」など多くのモデルに採用されるほどになり、ホンダの代名詞となっています。
 今回、オークションに出品され注目されたモデルは、クラシックミニにホンダVTECを換装した車両で、1972年式の「モーリス・ミニ」をベースに開発されました。
 エンジンは、1992年から2000年に製造された英国シビック用の「B18C4型」1.8リッターエンジンに換装されています。

 B18C4型エンジンの最高出力は171馬力ですが、JENVEY(ジェンビー)製スロットルボディの装着と調整によって、ピークパワーは210馬力まで高められ、5速マニュアルトランスミッションと組み合わされます。

 走行距離はメーター読みで12045マイル(約1万9384km)となっていますが、実際の走行距離は不明です。

 今回登場した初代ミニは、1.8リッターVTECエンジンの換装に伴い、ボンネットからフェンダー、バンパーまでのフロントパネルのほとんどが切断され、代わりにグラスファイバーで製作された一体型フロントカウルを装着する仕組みになりました。

 ほかにも、エンジンの高出力化に対応するために、サスペンションは高さと減衰が調整可能なハイグレードなものに換装されています。

 また、ホイールは13インチの5スポークのアルミ製で、英国ミニチューナーである「Kent Auto Developments」の4ピストンキャリパーとフロントディスクブレーキに交換済みです。

 車内はコブラ社製バケットシート、ウィランズのレーシングハーネスに交換されており、補強のためにフロント、サイド、リアにロールバーが張り巡らされています。

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 そして今回のオークションでは、このモデルが7000ポンド(約130万円)で落札されました。

 塗装自体は良好な状態ながらも外装には傷や欠陥がみられ決して極上品ではないものの、やはり他に類を見ないVTECエンジンの換装が最大の話題といえるでしょう。
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安すぎワロタ