石川県南部の加賀市にある温泉旅館。ここには現在、輪島市や珠洲市からの二次避難者約350人が身を寄せている。
1月22日、避難生活を送る人を取材すると、「不自由は全然ないですけど。(お風呂も自由に)入れます、ここ。快適です」と話していた。

同じ石川県内でも、地震の被害がほとんどなかったこの宿。
被災者は名湯として知られる山代温泉で心身を癒やし、食事も朝食のビュッフェをはじめ、3食が提供されている。

宿は「できる協力は惜しまない」とする一方で、採算面でのジレンマも抱えていた。

みやびの宿 加賀百万石 吉田久彦社長:
(Q. 採算は取れている?)いや、カツカツですよね。もうギリギリ。

旅館側の説明では、二次避難先として国や自治体から払われている金額は1人あたり1日1万円。これに対し、この旅館の平均客単価は1泊2万5000円だという。

こうした中、石川県などはある方針を打ち出した。
それは被災者に対し、3月上旬をめどに、二次避難先から別の仮設住宅などに移ってもらおうというもの。
期限を区切る背景にあるとみられるのは、3月16日に迫った北陸新幹線の延伸。
金沢駅から、新たに福井県の敦賀駅まで延伸されることになっていて、停車駅となる加賀温泉駅周辺でも大きな延伸効果が期待されている。
地元住民は「期待は大きいですね。やっぱり東京方面には便利になる」と話す。

被災者のケアと地元経済の復興という、2つの課題の両立が求められる中で、7日に開かれた説明会。

石川県職員:
現在、二次避難所となっているホテル・旅館は今後、ほかの予約も入ってきております。

今後、二次避難先からの移動が必要となる被災者に対し、仮設住宅や公営住宅への入居方法などが説明された。
被災者の感想はさまざまだ。

説明会に参加した人:
わかったことを気づけただけであって、解決策には何にもならんなって。

説明会に参加した人:
私ら(ホテルに)おいてもらえるだけでも助かってるから、そんなに無理は言えない。皆さんで経済を回してもらわないと。

県によると、こうした説明会は今後も開催されるという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c94f475e20e01f6bdf5bb8ffdae4f437bca0daae