イスラエル軍、ラファを強襲し人質2人救出 攻撃でパレスチナ人60人以上死亡とハマス
2024年2月13日
パレスチナ自治区ガザ地区の最南部ラファが11日深夜から12日にかけて、イスラエル軍の激しい攻撃を受けた。

イスラエル国防軍(IDF)は12日、ラファ市内で強襲作戦を実施し、人質2人を救出したと明らかにした。

IDFは声明で、夜にかけて軍と情報機関シンベト、ならびにイスラエル警察の合同作戦を実施し、「キブツ・ニル・イツハクから拉致されたイスラエル人2人を救出した」と発表した。救出した60歳と70歳の男性2人はどちらも、健康状態は良好で、検査のためにイスラエル中部の病院に搬送されたという。

これについて、イスラム組織ハマスが運営するガザの保健省は、少なくとも67人がイスラエル軍によって殺害されたと明らかにした。

Gaza's Hamas-run health ministry said at least 67 people were killed by Israeli forces overnight in Rafah

ラファの住民たちによると、12日未明に戦闘ヘリコプターや海軍艦からの攻撃が相次いだ。少なくとも2つのモスク(イスラム教寺院)と数十棟の民家が直撃されたという。

アメリカのジョー・バイデン大統領は11日、ガザの民間人の安全を確保する手段を講じることなしに、ラファ攻撃作戦を実施するべきではないと、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に伝えたと明らかにした。

ホワイトハウスによると、ネタニヤフ氏との電話会談でバイデン氏は、ラファ市内の100万人以上の民間人を保護するための「信用できて実施可能な計画」がイスラエルの側には必要だと伝えたという。

これに対してネタニヤフ氏は、そのための計画は策定中で、攻撃は実施すると力説したという。

アメリカのほかにも、イスラエルを支援してきた複数の協力国や国際機関、地域勢力が、イスラエル軍によるラファ侵攻に強い懸念を示している。

ガザを訪れたばかりの国連人道調整官ジェイミー・マクゴールドリック氏は、もしイスラエル軍がラファ侵攻を開始したなら、ラファの人々は「行くところがどこにもない」とBBCに話した。

しかし、イスラエル政府報道官は「ハマスを助けたいのか、パレスチナの民間人を助けたいのか」国際社会は選ばなくてはならないと反論している。

エルサレムからBBCのルーシー・ウィリアムソン記者が報告する。
https://www.bbc.com/japanese/articles/c51v5xprv7no