静岡県沼津市でごみ出し当番の親子が車にはねられ、死亡したひき逃げ事件から、2月15日で1か月が経ちました。
逮捕された85歳の男性は、処分保留で釈放されましたが今後の捜査はどう進むのか。そして、事件は現場周辺の“ごみ出し”に影響を与えていました。


午前5時、まだ暗い中、ごみ置き場のネットを設置する住民の姿がありました。2月15日、事件の日と同じもえるごみの日です。

1月15日午前5時半頃、沼津市松長の県道で男性会社員(33)とその母親(59)が意識不明の状態で倒れているのが見つかり、その後、2人の死亡が確認されました。

ひき逃げ事件として捜査していた警察は、事件発生から5日後の1月20日、トラックを運転していた沼津市の85歳の男性をひき逃げと過失運転致死の疑いで逮捕しましたが、静岡地方検察庁沼津支部は2月10日、処分保留で釈放しました。理由については明らかにせず、在宅で捜査を続けるとしています。

今後の捜査はどう進むのか。元東京地検特捜部で副部長まで務めた若狭勝弁護士は、まず、ひき逃げと過失運転致死の容疑を分けて、考えるべきと話します。

<元東京地検特捜部 若狭勝弁護士>
「人をはねたという認識があって、初めてひき逃げという犯罪が伴ってくるが、そもそも人をはねた認識がなくて、ドアが人以外のところにぶつかったというような当時の認識で弁解をしていると、ひき逃げといわれる犯罪に問うのは難しい」

捜査関係者によりますと、トラックを運転していた85歳の男性は、警察の調べに対して、「電柱に当たったと思った。人にはぶつかっていない」とひき逃げ容疑を否認したといいます。

若狭弁護士は自身の経験から運転手が人をはねたという認識がなければ、救護をせずにその場を立ち去った「ひき逃げ」の罪での起訴は難しいと話します。一方で、こんな可能性も考えられるといいます。

<元東京地検特捜部 若狭勝弁護士>
「自動車運転過失致死という罪に問われる可能性はまだあると思うが」

若狭弁護士は、静岡地検沼津支部は、過失運転致死罪について慎重に捜査をしているのではないかと推察します。



「そもそも人をはねた認識がないと…」“否認”で処分保留の男性 検察の判断は 親子死亡ひき逃げ事件から1か月(静岡放送(SBS)) - Yahoo!ニュース
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