そんな今大会、いつもよりもいい意味で緊張感が薄れていたように感じた。みんなが伸び伸びと大喜利を楽しんでいた。それは松本人志が近くで見ているというプレッシャーから解放されたからか、絶対王者バカリズムがプレイヤー側にいなかったからか、たまたま出場者のメンツがそうさせたのか、あるいは単なる気のせいかもしれない。だが、毎回のように初出場組は番組の“洗礼”を浴びるかのように最初のIPPONが取れずに苦戦するが、今回はみな早々にIPPONを獲得したのは事実。結果、どちらのブロックも最後のお題まで全員が勝ち残るチャンスがある大接戦となった。

 プレイヤーでなくなったことを惜しむ声もあったバカリズムだが、その存在感は抜群。「かなりのリスクを冒して答えたのに」「すごいのは、この局面であの長い文章を出せるハート」「たくさん出したいタイプのお題」など回答者の心理を代弁するかのような解説は、出場時の彼の思考を覗くようで面白かった。

 決勝戦は麒麟・川島vsロバート秋山。いきなり2本を先取しリーチをかけた秋山に川島が2本取り返して最後のお題。秋山はここでフリップを使わずに答える奇策に。点数が入るまでキャラを演じ続け、“力技”でIPPONをもぎ取り優勝した。それは「楽しさ」が充満していた今大会を象徴したような勝利だった。

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