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ガザ情勢「停戦速やかに実現を」 上川外相が行動要求

上川陽子外相は16日の記者会見で、パレスチナ自治区ガザでの戦闘状況に関し「人道的停戦が速やかに実現することを期待する」と述べた。ガザ最南部ラファへの軍事作戦に動くイスラエルを念頭に「当事者に対して直ちに人道的な観点から行動するよう求める」と語った。

外務省の小林麻紀外務報道官の12日の談話では人道状況を改善する重要性を指摘し、国際法を順守した行動を要求するにとどめていた。上川氏はイスラエルがラファに地上侵攻して犠牲が拡大する懸念を踏まえ、戦闘休止の訴えを明確にした。

同氏はイスラエルが人口過密状態にあるラファで大規模な空爆を展開していると触れた。「民間人の避難・保護のための十分な措置がとられないまま軍事作戦が継続すれば、さらに多くの犠牲者が発生する惨事になる」と強調した。

「無辜(むこ)の民間人がこれ以上犠牲になることは何としても防がなければならない」と主張した。ガザを実効支配するイスラム組織ハマスにも「(イスラエルの)人質を一刻も早く解放すべきことは当然だ」と促した。

上川氏は20日からブラジルを訪れ、20カ国・地域(G20)外相会合に出席すると発表した。主要な議題になる中東情勢を巡り「切迫感や危機感を各国と共有すべく、日本の取り組みを交えてしっかりと発信する」と言明した。