岸田首相が掲げる「次元の異なる少子化対策」の実現に向け、政府が昨年12月に決定した「こども未来戦略」を具体化するものとなる。首相は今国会での施政方針演説で、人口減少問題を「日本社会最大の戦略課題」と表明しており、少子化をいかに食い止められるかが焦点となる。

 児童手当では所得制限をなくし、支給期間を「中学校修了まで」から「高校生年代まで」に延長する。支給額は0~2歳が月1万5000円、3歳~高校生年代は月1万円とし、第3子以降は年齢を問わず、月3万円に引き上げる。拡充は24年10月分からとする。

 親が就労しているかどうかにかかわりなく保育施設を利用できる「こども誰でも通園制度」を創設し、26年度に全国展開する。

 育児休業給付率を引き上げ、共働き世帯を支援する施策も盛り込んだ。子が出生した後の一定期間、両親がともに育児休業を取得した場合に手取り収入が育休前の「実質10割」になるよう「出生後休業支援給付」を25年度に設ける。家計が苦しいひとり親世帯などに支給する児童扶養手当も24年11月分から拡充する。

 これらの政策の裏付けとなる支援金の徴収額について、政府は26年度に約6000億円(1人当たり負担月額300円弱)、27年度に約8000億円(同400円弱)、28年度に約1兆円(同500円弱)と段階的に引き上げる方針だ。
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