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日本国内における中国人による犯罪が年々増えている。警察白書によれば、刑法犯として検挙された中国人の数は1996年度が2504人だったのに対し、2000年度には3038人に増えた。来日外国人の刑法犯検挙者総数は6026人から6329人とそれほど増えていないことから考えれば、中国人による犯罪の増加傾向は明らかである。そして、2003年の来日外国人犯罪の検挙件数の約半分が中国人の犯罪となっている。このように、中国人の犯罪が増加するに従って「黒社会」という言葉が新聞などでよく見られるようになってきた。

 「黒社会」とは、もともと「中国人による犯罪組織」を指す言葉である。欧米では「チャイニーズ・マフィア」と呼ばれるが、同じ意味である。中国、香港、台湾では黒社会という表現が一般的であるのに対し、欧米ではチャイニーズ・マフィアという言い方が普通である。

 黒社会は今、世界中で暗躍している。その構成メンバーはすでに全世界で200万人を超えたとされており、欧米においては麻薬取引の最大グループの1つとして大いに注目を集めている。チャイニーズ・マフィアは現在、世界最大の犯罪組織と見られているのである。日本においても、密航、殺人、銀行強盗、エステ強盗、自動車盗難、ピッキングなどで中国人犯罪者の暗躍が頻繁に伝えられている。中国系黒社会は、もはや日本人と無関係の存在ではなくなったと言ってよい。もちろん黒社会の母国である中国大陸、香港、台湾でもその活動はめざましい。

 黒社会の活動が注目を集めている背景の1つとして、中国世界の大発展がある。全世界に生きる中国人は、香港、台湾、華僑・華人も含めると13億人強。このうち台湾、香港の経済はすでに先進国レベルに達しているし、中国大陸の近年の経済成長率はきわめて高く、今や中国は「世界の工場」と呼ばれるまでになった。現在の経済発展が続けば、中国はフランス、イギリス、イタリアを抜いて世界第4位の経済大国に躍り出ると見られている。そうした経済的発展と表裏一体となっているのが、黒社会の活動である。金が動くところにチャイニーズ・マフィアの暗躍はあるのだ。