略
主要先進国+韓国の労働分配率(労働時間あたり人件費 ÷ 労働時間あたり名目GDP)を比較すると、全産業計で、
韓国 69.9%
フランス 69.1%
ドイツ 68.6%
英国 66.9%
イタリア 63.2%
日本 59.7%
米国 59.1%
となっており、日本は、米国に次いで低い状況となっています。
労働分配率の分母(労働時間あたり名目GDP)と分子(労働時間あたり人件費)を見てみると、
*韓国は、労働時間あたり名目GDPが日本より低いにも関わらず、人件費は日本をやや上回るため、労働分配率は7カ国中で最も高くなっている。
*米国は、労働時間あたり名目GDPが他の国々に比べ高いにも関わらず、労働時間あたり人件費はドイツ、フランス並みに止まっており、このため、労働分配率が7カ国中で最も低くなっている。
*日本は、労働時間あたり名目GDPは7カ国中6位であるが、労働時間あたり人件費は7カ国中の最低となっており、生産性が低いけれども、それ以上に人件費が低いために労働分配率が低い、「低賃金・低生産性」の状況となっていることがわかる。
*労働分配率の高低は産業構造の違いの影響を受けるが、製造業、非製造業それぞれについて見ても、おおむね同様の傾向となっている。
経団連『2022年版経営労働政策特別委員会報告』では、
*所定内給与の引き上げによる他の費用項目への波及などにより総額人件費が増大する。
*法定福利費の増大は、賃金引き上げの効果を相殺し、可処分所得拡大の足かせとなっている。
などと主張しています。
しかしながら、人件費に占める現金給与以外の人件費の割合(製造業)は19.2%(2020年)に止まっており、フランス(35.4%)、ドイツ(22.8%)、韓国(22.4%)などよりも低い状況にあります。
https://note.com/seikahaibun/n/n005cc1779502