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「不適切にもほどがある!」に共感するおじさん社員が、職場で「心地よく」居場所を確保するための処世術

「ブス!」「バカ!」の暴言、ケツバット、バス内で喫煙…現在放送中で話題のテレビドラマ「不適切にもほどがある!(以下ふてほど)」(TBS系)はタイトル通り、令和の時代に「不適切」過ぎる行為・行動のオンパレードだ。

「ふてほど」の最多視聴層は50歳以上
どんな年齢層が見ているのか。放送中のテレビ番組視聴率が分かる「TVAL now」の開発・運営を行うスイッチメディアの分析によると、同ドラマの最多の視聴層は50歳以上。やはりこうした風景が日常だった団塊ジュニア世代以上の男女から支持を集めているようだ。

同ドラマでは、令和にはほぼ消失した風景をモニター越しに堪能できる。放送倫理上の理由から昭和の不適切シーンは昨今、テレビでも視聴が難しくなっており、「あの頃はよかった…」と団塊ジュニア世代以上の会社員がドラマ内の昭和シーンに思わず共感するのも自然の反応なのだろう。

ハラスメントなしの職場で団塊ジュニアはどうふるまえばいいのか
自身も団塊ジュニアで、会社員を経て現在、人事のエキスパートとして組織や企業を側面支援。最新刊「それでも、『普通の会社員』はいちばん強い 40代からのキャリアをどう生きるか』(日本経済新聞社出版)では、おじさん社員の令和オフィスでの処世術を指南している新井健一氏が解説する。

「最近、私の周辺でも昭和が話題になることが多いんです。いまでは到底、通用しないことがまかり通っていたあの時代。われわれ世代はどう受け止めればいいのか…。私は2つの側面があると思っています。ひとつはいまの40代以降の人たちが職場で受けてきた会社員としての指導や教育は血となり肉となり、確実に”財産”になっているということ。もうひとつは、とはいえ、時代は変わったのだから、新しい職場ルール・規範に適応していかないと会社での居場所の確保は厳しい。それは間違いないでしょう」

会社員としてのマナーやコミュニケーション力、交渉力、資料作成のノウハウ、同僚や競合らとの厳しい競争で鍛えられたメンタル…。これらは間違いなく団塊ジュニアの会社員の”財産”となっている。だが、活かすべき職場は様変わりしており、自らをアップデートしなければ、社員としても管理職としても生き残りは難しい。おまけに今後、70歳を超えても働くことが当たり前になる時代を見据えれば、変化なしではあまりに心もとない…。

東京海上日動リスクコンサルティングが全国の従業員数30名以上の法人2万4000社などを対象に厚労省の委託事業として「職場のハラスメントに関する実態調査報告」(令和3年3月)を公表している。この結果からにじみ出るのは、平成後期から令和にかけて浸透した「ハラスメント」への適応に、”職場”がもがき苦しむ姿だ。

象徴的なのが、「ハラスメントの予防・解決のための取組を進める上での課題」の項目の結果。ここで65.5%が挙げているのが「ハラスメントかどうかの判断が難しい」だった。続いたのも「発生状況を把握することが困難」(31.8%)で、職場がハラスメントを十分に受け入れ切れていない苦悩ぶりが数字からも浮き彫りになっている。