クラウドサービスなどで米巨大IT企業の市場支配力が増す中、デジタル関連サービスの海外との取引状況を示す「デジタル収支」の赤字が拡大している。三菱総合研究所の集計によると、2023年の赤字額は約5・5兆円に達し、14年比で2・6倍に膨らんだ。日本のデジタル分野の劣勢が招く国富の流出が深刻になっている。

 デジタル収支は、サービスに関連して海外から日本が受け取ったお金と、日本が海外に支払った分の差額である「サービス収支」のうち、コンピューターサービスや著作権等使用料といったデジタル関連の項目を抜き出した数字だ。

 23年には日本から海外へ9・2兆円が支払われる一方、日本が海外から受け取ったお金は3・7兆円だった。赤字額は22年の約4・8兆円から0・7兆円余り増えた。

 14年に約2・1兆円だったデジタル赤字は拡大傾向が続く。最大の要因は、デジタルサービスで米巨大ITへの依存度が高まっていることだ。

 デジタル収支にはクラウドやインターネット広告、スマートフォンのアプリストアといった米巨大ITが強い支配力をもつ分野が含まれるとみられる。クラウドはアマゾンやマイクロソフト、ネット広告はグーグルやメタ、アプリストアではアップルとグーグルが日本で大きなシェア(市場占有率)を占める。

 コンピューターサービスなど一部の項目では特に米国への支払いが多い。三菱総研の推計によると、23年は約3兆円の海外への支払いのうち、米国への支払いが1兆円を超えるという。

全文はソースで 最終更新:2/19(月) 0:20
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