大阪湾の「迷いクジラ」、死骸は土に埋め骨格標本に 食料なく衰弱か
大阪湾内で目撃されていたクジラについて、大阪府は19日午前、堺泉北港内で死んだことを確認した。湾内に迷い込み、約1カ月にわたってとどまっていた。
府は会議を開き、死骸を土に埋めて処理する方針を決定。後で掘り起こし、骨格標本として活用していくという。
府によると、クジラは推定で体長13~14メートル、重さ25~30トンで、オスのマッコウクジラとみられる。
1月12日から兵庫県の神戸市や西宮市などの沖合で目撃され、23日からは堺泉北港内にとどまっていた。
クジラや大阪湾の生態系に詳しい大阪海区漁業調整委員会の鍋島靖信・専門委員(70)によると、近年、海水温が上昇していることが迷い込んだ要因と考えられるという。「黒潮に沿って泳いでいるうちに、温度差の少ない内海に向かってしまい、迷い込んだのではないか」とみる。
とどまっていた場所の水深は10~15メートルほどと浅く、クジラの食料となるようなものもなかった。鍋島さんはクジラの最近の状況を「やせ細り、水温も低く、危険な状態」と指摘していた。
外海へと誘導する手もあったが、愛媛県宇和島市では2007年、漁港内に迷い込んだマッコウクジラを救出しようと近づいたボートが転覆し、男性1人が死亡する事故も起きた。府は「誘導策は難しい」として、様子を見守ってきた。
クジラは今月16日朝には潮を吹き、泳いでいたが、18日夕方には動かなくなっていた。府は19日午前、状態を確認。浮いた状態で口が開いたまま動かず、呼吸も無かったため、死んだと判断したという。
https://digital.asahi.com/articles/ASS2M6GRSS2MOXIE01B.html
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