鹿児島大学総合研究博物館と農林水産学研究科、屋久島ダイビングサービス「もりとうみ」の研究チームはこのほど、ヘビギンポ科魚類の新種を発見したと発表した。日本からオーストラリア、ソロモン諸島にかけての西太平洋の比較的浅い岩礁域で見られ、頭部の特徴的な水玉模様から和名は「テンテンヘビギンポ」と名付けた。

 同研究チームによると、テンテンヘビギンポは体長2センチほどの小型の魚で、水深1~2メートルから深くても20メートルほどの岩場に生息している。

 国内では屋久島から沖縄までの広い範囲に分布し、国内のダイバーには昔から存在が知られていたという。屋久島では2月から4月にかけて同種の産卵が確認されており、頭部と腹部が黒色に染まった婚姻色のオスを観察できる。

 調査では奄美群島でも標本を採取。海外でも同種の登録がないことを突き止め、1月30日付で日本魚類学会発行の英文誌「イクチオロジカル リサーチ」で論文を発表した。学名は光沢のある白い体色にちなみ、ラテン語の絹という言葉を盛り込んだ「エネアプテリギウス セリカス」。

 鹿児島大学総合研究博物館長の本村浩之教授は「ダイバーには『アタマテンテン』などの愛称で親しまれていた。新種と判明したことで今後の研究が進んでいくことを期待している」と語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/cd56d4656e15d8bf55f897667abb6d0b15bc50c8