岸田首相の施政方針演説:デフレ脱却宣言で経済政策の成果をアピールできる日は来るか

減税の効果は一時的

岸田首相は30日に衆院本会議で施政方針演説を行った。今国会は、政治資金規正法改正など、政治改革の議論に多くの時間を割かれそうであるが、経済政策についても停滞は許されない状況だ。

岸田首相も施政方針演説の中で、「経済再生が政権の最大の使命だ」と改めて強調した。今まで岸田政権が進めてきた少子化対策などの成果を国民に実感してもらう年にする、とした。

また、「可処分所得が増える状況を確実に作る」、「賃金が上がることが当たり前だとの意識を社会全体に定着させる」と述べた。可処分所得を増やすためには、春闘での企業の積極的な賃上げに期待するとともに、政府としては、医療や福祉、公共サービス分野での「公的賃上げ」を推進すること、6月からの定額減税を実施する。しかし、定額減税は時限的な措置であり、それによって実質可処分所得が増加するとしても、1年限りの効果
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