｢インベスト･イン･キシダ第3弾｣効果を侮ってはいけない
｢成長底上げ型｣の経済対策を評価へ
2023/10/03 12:00
具体的に始動し始めた「資産運用立国」への道
また、この経済対策以外にも、株式市場にとって新たな動きが出てきたことに注目しておきたい。
それは、岸田首相がニューヨーク経済クラブの講演（9月21日）で、日本が「資産運用立国」を目指す考えを世界に表明したことだ。
日本への投資を呼び込むための施策として、①国際金融センターとしての機能強化、に加えて、②アジア最大のスタートハブの形成、③高度なスキルを持つ外国人が取得しやすい在留資格制度の整備などを挙げた。
また、資産運用業についても「取り組みが遅れていると指摘されてきた構造改革を断行する」と強調したのは、一歩踏み込んだ内容であった。
それは、岸田首相が日本の資産運用業の強化へ海外勢の参入を促すための「資産運用特区」を設けると具体策を表明したことだ。
そしてその後、政府は資産運用特区の候補として、札幌市や東京都、大阪府、福岡県の4自治体を軸に検討すると公表（9月27日）した。
なお特区の具体的な規制緩和メニューは今後詰め、「運用資金獲得支援プログラム」を整備して新規参入の運用会社を支援するという。
政府は年末までにこうした一連の規制緩和策案を詰め、2024年初めからの通常国会に必要な法案を提出する段取りを描いているという。
また「金融庁は、銀行など大手金融機関に対し傘下の資産運用会社に対する強い経営強化策づくりなどを要請する」との報道（10月1日）もあった。
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